2013年のテーマ

総子化とは?

親の高齢化とその長期に渡る健在で、子供は大人になっても「子供」の側面を持ち続ける時代となりました。日本は今、全人口に占める比率でも、人生における時間でも、「子供」が多くを占めています。この社会構造に焦点をあて、これからの生活者の姿を探っていきます。

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生活総研
影山知明さんインタビュー

あなたのルーツはなんですか?

多世代でコミュニティをつくりながら暮らす“持ち寄り型の集合住宅”「マージュ西国分寺」と、その1階にある“子供も大人もお年寄りもくつろげる”カフェ「クルミドコーヒー」。4年前に、東京・西国分寺の生家を建て替え、これらを生みだしたのが、今回のゲストの影山知明さんです。世代も背景も異なる人々の結節点を作り出した影山さんと、「総子化」をテーマに語り合いました。

話す人:影山知明さん

クルミドコーヒー店主。
1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、McKinsey & Companyを経て、ウィルキャピタルマネジメント株式会社の創業に参画。その後、株式会社フェスティナレンテとして独立。投資先の成長支援を続けると共に、2008年には西国分寺の生家の地に“持ち寄り型の集合住宅”、マージュ西国分寺を建設。1階にクルミドコーヒーをオープンさせた。

聞く人:生活総研・小原

父は東京、母は福島。私にはその土地の血が流れているんだなぁ。

聞く人:生活総研・酒井

コレクティブハウス、ちょっと住みたくなってしまいました。

第1回
愛着なんてまったくなかった。

帰ってくるつもりのなかった土地で

東京の西、新宿から中央線で30分弱の位置にある、西国分寺。地元の人には「ニシコク」と呼ばれているそうです。影山さんが「愛着がある」というニシコクはどんなまちなのか、まずは案内していただくことに。駅から徒歩1分の場所にあるマージュ西国分寺&クルミドコーヒー前で待ち合わせました。改札を降りると、お、植物に囲まれたモダンな建物があ りますね。

 

小原おはようございます。わぁ~、おしゃれな建物ですね。

影山ありがとうございます。つくるときには「1本の木」などをイメージしていたのですが、想像以上に近代的な建物をつくってしまいました。でもやがて緑に覆われて、自然なものと近代とがうまく折り合っていくような建物に育っていったらいいなと、今では思っています。『天空の城ラピュタ』みたいに(笑)。

酒井なるほど、この建物自体も育てているところなんだ。

影山そうですね。では、行きましょうか。


影山さん先導のもと、ニシコク巡りへ。西国分寺駅ができたのは1973年。東京近郊を走る中央線の駅としては最後にできた駅で、いまも乗降客が一番少ないそうです。そのせいか、周辺の駅に比べて、それほど駅前開発が進んでいません。1~2分歩くと、すぐに閑静な住宅街になりました。

 

酒井影山さんは、ずっと西国分寺で暮らしているんですか?

影山いえ、出たり入ったりですね。ここはもともと母方の実家で、生まれてから小学1年生までこの地で暮らしました 。その後は親の仕事の都合で愛知に引っ越したんですが、大学入学で上京したのを機に、再びここに。26歳の時に、都心に住みたくなり、また離れたんですが、8年前に生家が空き家になってしまったとき、「将来的にこの土地をどうするか?」という話になり、僕が「ここに未来につながるようなマンションを建てる」と言い出しまして。それで、みたび関わるようになりました。

酒井いまは、お店の上に住んでいるんですか?

影山いや、いまは世田谷の方に住んでいて、そこから通っています。自分自身は、西国分寺に住みたい気持ちもあるんですけど、家族がいますから、自分の都合だけでは決められませんね。でも、いま5歳の娘には、いつかここでの暮らしも経験させたいなという思いはありますけどね。

小原クルミドコーヒーのホームページでも、「このカフェを、僕らの娘のためにつくろうと思う」と言っていますよね。お店もそうですが、まち自体に、相当な愛着を持たれている感じがします。

影山でも、26歳の時に出て行ったときは「二度と帰ってくるか」くらいに思っていましたけどね。

酒井え?そうなんですか?

影山ええ。マンションをつくることになったときも、当初、前向きな気持ちでは必ずしもありませんでした。誰もこの土地を何とかしようとしないので、やむにやまれず僕が引き受けた、というのが実情です。

酒井そうなんですか。愛着どころか…

影山昔は、愛着なんてまったくなかったですよ。西国分寺ってイケてないまちだなって。地元の人も西国分寺には何の期待もしていないし、僕自身もまったく期待していませんでした。
ところがマンションをつくり、カフェをやっていくうちに、だんだんと愛着が湧いてきまして。その変化には自分でも驚いているくらいです。

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